インドカディ、インド雑貨の専門店 manishanisha(マニーシャニーシャ) は、現在準備中です。

2019/08/28 02:43


古代から始まり、今に至るバングルの歴史。
いつの時代でも、女性達の腕に彩と優雅さを与える装飾品の一つとして、世代を問わず
多くの女性達に愛用されています。

インドでは、女性のバングルの装着には、ファッションとしてだけではなく、大きな意味が
含まれています。発掘された多くの女性の石像の腕にもバングルが見られ、古代のインドでは、
手首の装飾品は”普遍性”を象徴していたとも言われてます。

職人の手により、テラコッタ、石、貝、銅、青銅、金、銀、漆、ガラス等をベースに、シンプルな
デザインから、動物や蛇のモチーフ、繊細な装飾、豪華な宝石がちりばめられたものまで、
多種多様なバングルが古代からインドには存在しています。


インド既婚女性にとって、バングルの着用は必須とされ、インド婚礼儀式に重要なジュエリーの
一つでもあります。あるコミュニティでは、夫と息子の幸福を願い、花嫁が金のバングルとガラス
のバングルを組み合わせて装着をする風習があり、一部の地域では、女性の肌の露出を防ぐ意図で
装着がされたりも。また、未亡人はガラスのバングルの着用が許されていない等、部族や地域に
よってバングルの装着の意味や目的が違う事からも、インド人にとってバングルは、”ただの装飾品”
としては扱われない存在のようです。

現在では、既婚未婚問わず、一般的に装着されるようになったとは言え、最近結婚した会社の女の子
の腕に、結婚して以来両腕に緑のガラス製のバングルと金のバングルがびっちり装着されているのを
見ると、今でも伝統と風習が強く残っているのが感じられます。(特に結婚後の女性)

私は、指輪、ネックレス、ピアスを着けるのは好きなのですが、腕に何かを着けるのが好きでない、
とうか、落ち着きません。何より作業(物書き、料理、タイピング等)をしている時に、気になって
作業の妨げにもなってしまうのです・・・。
でも、嫌いなわけではないので、綺麗なバングルを見るとやはり心が躍ります。
特にインドに来てからは、あまりにもバングルが周りに溢れているし、婚礼の儀式や正式な場で
サリーやレヘンガなどのインドの伝統衣装を着る際には、やはりバングルを着けないと様にならない
ので、普段はあまりつける事がなくとも、いくつか買ってあります。あまり普段使わないゆえ、
ゴールドやシルバー製のバングルに手を出す気にはならないし、かといってプラスティックやガラス
製のものも身に着けたくないので、買うときはいつも銅や真鍮製のものにしています。


バングルの有名なハイダラバードで買った真鍮にエナメル加工がされたバングル。

今回ウダイプルで見つけた、少し大振りのバングル。こちらも真鍮製。色とデザインに人目惚れ。


そして、インドの工芸品とアート好きの私の趣味をよく判っている、アーティスティックなインド人
の友達からもらった、ハンドプリントの木製バングル。

インドでは、バングルの装着には、金属を通してのエネルギーの吸収や、何連ものバングルが触れ
合って立てる音によって、邪気を追い払う効果があると信じられています。
東洋医学や伝統でも、”首”とつく体の部位は、体内外のエネルギーが影響する大事な場所と言われて
います。どの国よりも深く長い、宇宙との繋がりに基づいた思想と伝統を持ち、今でもそれが人々の
生活に息づいているインドにいると、女性が手首、足首、首に豪華な装飾品をつける本来の意味や
目的を、実際に感じ、学ぶ事が多いです。

それでも、私はガチャガチャと音を立てるほどの数のバングルをすることは無いと思いますが、
自分の身を飾り立てる事だけを目的とするのではなく、常にエネルギーの流れを意識をしながら、
装飾品を身に着けるようにしようと思います。